伊助のよもやま話
竹と京女 竹は女性とよく似ている。 竹の大事なところの一つは肌である。表面に傷があると並品になる。 すんなりと真っ直ぐに伸びて、傷のないのが一等品となる。が、そのように行かないのが自然の仕草だ。 ほとんどの竹は先が曲がっている。真っ直ぐに見えるが、切って横にすると曲がっていることが分かる。 上の笹の重みと風のあたりで曲がってしまうのだ。真っ直ぐに伸びようとしても、なかなかそうはいかないもので、そのような点も人と似ている。 しかし、曲がっている竹を好む人もあって、それも面白いものである。 京女は美しさだけではなく、女を磨く努力を惜しまない。 私は京都に生まれ、地元で育ったから何事も京都をほめる。本当に京都の竹は良い。 なぜなら、ただ生えているのと違って大切に手を入れ育てているからだ。 私たちの扱う竹が使いやすいのは、大事に大事に育てているからだと申し上げたい。 京の竹は京女のようだと思いながら、毎日毎日竹の加工に手を掛けている。 適当に硬くて、その中にしなやかな柔らかさがあり、これがちょうど良い竹と言って間違いない。 全てのものをほめるようにして、生きましょう。 人も好きずき水仙の 花よりきれいな花子さん……。 |