伊助のよもやま話


会長

大文字に思いを

今日も暑い。
京都市内は連日35度の気温となり、市内は燃えている。こうなると私は益々自分も燃えて、暑さなんかに負けるものかと自分流に体力をつけて毎日を過ごすようにしている。
それは自分のためだと思い込み、頑張って歩くことに専念しているのだ。
町を歩いていると、色々な人の風景を見る。笑っている人、悲しそうな人、歌を口ずさんでいる人、ぶつぶつ言っている人、ランニングしている人、様々な人の様子をゆっくり歩きながら観察していると楽しいものだ。

今夜は大文字送り火が催される。この送り火はお盆の締めくくりの偉大な伝統行事だ。
先祖を大事にする日本人として、また京都に住んでいる者としては、誇れる行事の一つである。
八時の点灯が待ち遠しくって表へ出ると、町内の人ほとんどがじっと山の方を見つめている。ポポポと火が点くと同時に皆が初めて歓声を上げて、「今夜も無事に見れて良かったね。」と挨拶を交わす。雨が降ると中止になるので、ひとつの安堵した気持ちの表れだ。
この世に戻って来ていた魂を送りながら、私もいつも忘れがちな父母のことを思い、色々な思い出にふける。
その内に大の字はだんだん下火になって消えていく。父母が「長生きしなさいよ」と言いながら火と共に思い出も消えていった。
寂しさは消えず、私も古くなったなと思った。

皆、暑さに負けず元気で。


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