伊助のよもやま話
阿吽(あうん)の呼吸 お客様が私に「僕と君は阿吽の仲だね」と言われ、なんの事か解からなかった。 よく聞いてみると「ツーといえばカーの仲」、益々ややこしくなる。もう一つ考え込んでいると、今度は「一と言ったら十知る」となった。なんとか解かるようになった。 それは、お客様が注文した品物を私が探してきて見せた時に、お客が品物を見て言われた言葉だった。ほめられているのかと思うと、かえって値段が言いにくくなって少し安くしてしまった。でも楽しい商いをしたなと、内心喜んでいた。 今日は、スス竹を洗っている。百本以上の数を洗っているのに、どの竹にも虫喰いがない。 何百年も経っているのに、めずらしいなと考えながら洗っていた。このスス竹は、生えていたときのそのままの竹の皮がついている。 皮をめくりながら洗っていて、気が付いた。皮がついていると虫がつかない。竹の皮には、毛がいっぱいあり虫が食いつけないのだ。私は、そこに気が付いた。 百年も二百年も前に竹の皮をつけたまま使用するという知恵と、それを実行した人がいた。そのことに気付いた今、ようやく私は阿吽の呼吸を知った。 違うかな?少しおかしいかな・・・? 皆さんも、互いに呼吸を合わせて行きましょう。 |